フランス料理やイタリア料理なんかのコースで、「前菜」として出てくるものがありますよね?
あまり和食では見かけない言葉のような気がしますが、他にも「主菜」や「副菜」といった言葉があります。
「なんとなく最初に出てくるのが前菜」なんて、漠然と知っていても、明確に説明出来なかったりしませんか?
この「前菜」「副菜」「主菜」の違いとはいったいなんでしょうか?
もちろん和食でも当てはまりますよ^^
まずはコース料理というものを
コース料理と聞いて、まず頭に浮かぶのはフランス料理ですよね。
ここでは、一般的なフランス料理のフルコースの構成をご紹介しましょう♪
まずはコース料理の構成を把握しましょう。
1・前菜
2・サラダ
3・スープ
4・パン
5・魚料理
6・ソルベ
7・肉料理
8・チーズ
9・フルーツ
10・デザート
11・コーヒー
12・プチフール
となります。実際には8のチーズがなかったり、10~12のコーヒーとデザートが一緒に出てくるケースが多いでしょう。
さあ、これを踏まえて前菜・副菜・主菜を説明していきます。
前菜
前菜は「食欲を駆り立てる」役割のもので、コース料理においてはサラダやスープよりも先に出てきます。少ない量ながら色鮮やかな見た目で楽しませ、食前酒などと一緒に愉しみながら食べます。
これを和食だと「先付け」「お通し」「八寸」等と呼ばれます。和食で前菜という言い方はしないので馴染みがないんですね。
座った時に最初に小鉢で出てくる煮物とかです。ちなみに
・ご飯が出てくる前にウメボシを食べた
これは前菜になります
・ご飯に乗っていたウメボシを食べた
これは前菜にはなりません
「食事の前に出てくるもの」という認識ですね。言うなれば
「ご飯まだできないから先にチーズでもつまんでてー」と言われれば、役割としては前菜にあたります。
副菜
副菜の定義はかなりブレがあって一概には言えませんが、おおむね「肉・魚ではなくサラダなどの野菜を使ったおかず」という事になります。
コース料理でいえばサラダが該当するのですが、そもそも副菜というのは日本の本膳料理の考え方なので、コース料理における副菜は「存在しない」のです。
和食における肉・魚を使った主役のおかずとは別の「脇役のおかず」を副菜と呼びます。コース料理では料理を1度に出すことはありません。
スープならスープ。サラダならサラダという「役割」であり「順番」なのです。「サブディッシュ」なんて聞いたことありませんよね?
それでもあえてコース料理における副菜は、と問われたら「メインディッシュではない料理」(デザートは違いますよ)というのが妥当でしょうか。
主菜
主菜は「肉・魚を使ったメインのおかず」であり、上記のコース料理では5・7番が該当します。洋食での呼び方なら「メインディッシュ」。厳密に分類すれば大豆も主菜なのですが、和洋中の料理全てで考えるなら「メインのおかず」という認識で間違いないということにしましょう^^
主菜と主食の違い
名前が似ているので一緒にしてしまいそうですが、主食とは、「主に炭水化物」です。
和食で言えばごはん、うどん、もち、そば等は主食ですね。
コース料理でならパンが当てはまりますね。洋食でならパスタがそうです。
中華なら中華麺のものですね^^
「おかずと主食」と言い換えればわかりやすいでしょう。
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前菜・副菜・主菜は和食の概念
コース料理を挙げておいてなんですが、「1汁3菜」という言葉があるように、もともとは日本の本膳料理の考え方です。それを「コース料理ならー」と当てはめている訳ですね。
完全に同じ考え方なのは前菜くらいなもので、あとはハッキリしないんですね^^;
※もっと正確に言うとフランスのコース料理には前菜「オードブル」より先の「アミューズ」というものがあります。また後ほど。
日本で言えば主菜・副菜・主食は正確に栄養学で分類されているので調べればハッキリわかるでしょう。
余談ですが、調理学校の試験なんかで、コース料理の構成を「副菜2品、主菜1品」みたいな課題を出すことがありますよね?
和食ならそのままでいいですが、コース料理として課題を出すなら「オードブルとスープを1品、メインディッシュで魚料理か肉料理を1品」とかって言うべきなんですよね。学生さんたち混乱しちゃいますよ~。
ですので、フランス料理のコースを食べる際、「前菜はこれで、副菜は、主菜は・・・」なんて知識自慢は恥をかきますからやめて下さいね(笑)
最後に「この辺を踏まえてバランスよく食べましょう」以上!!