キッチンのすべて

レシピや料理の豆知識、調理器具の話など、キッチンに関わるすべてを独断と偏見を持ってお送りしています

【料理上手は仕事ができる】は嘘!料理では身につかないスキルとは?

記事内に広告が含まれている場合がございます

厨房で働く二人の男性

 

料理上手は仕事が出来る

 

こんなセリフを良く耳にします。

 

料理が出来る人は要領も良い、頭も良い。

昼時の飲食店でテキパキと厨房で何人分もの料理を捌く料理人なんかを見ていると確かにうなずけそうですね。

 

でも実はこの説って半分正解で半分は当てはまりません。

 

僕はいくつかの飲食店で働き、自慢ではありませんが料理長も務めた経験もあります。

そうして何名かの料理人を見てきた中で、必ずしもそうではないという事実、そして料理と関係ない仕事スキルっていうものがあることにほんのり気がつきました。

(それどころか、『料理しか出来ない人』もいます)

 

今回は、料理で身につく仕事スキル、身につかない仕事スキルとかそんなお話です。

段取り上手は仕事上手?料理が出来る人が仕事が出来ると言われているワケ

まず始めに、なんで料理が出来る人は仕事が出来るのか、なぜ料理をすることが仕事にプラスになるのかという部分から見ていきましょう。

料理は成功体験が簡単に味わえる

あなたは誰のために料理をしますか?

おそらくですが、ほとんどの人は『自分以外の誰かのため』ではないでしょうか。

 

もちろん自炊でご自身のために作るという方もいると思いますが、一人だとどうしても凝った料理は避けがちだったり、買い弁なんかで済ませる事もあります。

嫌気がさそうが気が乗らなかろうが、それでも料理をする理由があるとしたらこれは家族や恋人のため、はたまた家を訪ねた友人のためです。

 

誰かの為に何かメニューを作った時、何かしらの反応がもらえたりしますし、自分的にも『何か作った』という満足感が得やすいのが料理。

 

仕事では成果を出すまで時間がかかったり、頑張っても報われない事が多々あります。

でも、料理はそれが比較的すぐ手に入ります。

 

自己満足でもなんでも、『何かを作ろう』→『作った』→『評価された』というサイクルがコンパクトなので、その自信や満足感は仕事のモチベーション維持にも一役買っているとかいないとか。

『自分で段取りを組む』料理は頭脳戦?

『段取り八分』なんて言葉があるように、仕事が出来る人間は段取り良い事が多いですね。

そして、料理ほど段取りが大切なものは多くありません。

 

●必要な材料を事前に下ごしらえして

●出来上がりが同じになるように頭の中で順序を組み立て

●限られた数のコンロやスペースでそれらをまわして

●使うお皿をすぐ準備して…

 

なんて、出来上がりにかけて手間取ることがないよう効率良く考える必要があります。

逆に、ここがしっかり出来ていないうちに行き当たりばったりで料理を始めると結果は良くないものになります。

 

料理を作ってる間って、実は脳みそフル回転なんですね。

だからこそ、常日頃キッチンに立つ人は仕事の要領も良くなると考えられています。

複数の料理を作ったり、キッチンで働くと身につく『感受性』

厨房で働いた経験のある方なら分かりますが、チームで料理を仕上げていくのは本当に大変だし、スムーズな連携が鍵になります。

声をかけずとも、自分の仕事を進めつつ周りの調理の進み具合を見たり、時と場合によってはお皿を出してあげたり、邪魔な洗い物を片付けてあげたりと本当に臨機応変に動く必要があります。

めちゃくちゃ周りが見える人じゃないと厳しいってことです。

 

また、一人で複数の料理を作る時にも火加減を調節したり、こっちの手では食材を切ったりと同時進行になる事がほとんど。

 

こういった『連携スキル』や『同時処理能力』が身につくものでもあります。

失敗した料理をカバーする『アレンジ力』

自宅、飲食店関わらずキッチンでは失敗が多発することなんて日常茶飯事です。

自宅ならまだしも、お客さんが待っている厨房だったら、それに即座に対応する必要があったりします。

自宅なら自宅で味のリカバリーとかも必要ですよね。

 

そういった柔軟性と言うか、リカバリー能力も試されるのが料理です。

とにもかくにも形にする。これは仕事においても大切なことです。

スポンサーリンク

   

こんなスキルは身につかない!料理上手と仕事上手の微妙な違いとは

●段取り、要領よくなる

●周りも見える

●柔軟性もつく

●成功体験が一品でギュッと詰まっている

 

これが料理が出来る人=仕事出来る説になります。

 

確かに一見すると理屈は合っていますが、料理では身につかない仕事スキルもありますし、必ずしも料理が出来るからといって仕事が出来るとは限らないというのが僕の見方です。

対人間の仕事は料理と無関係

料理のスキルが役立つ職種。

それは工場や技術職、開発などの「対人間ではない」仕事。もしくは対人間でもレジ打ちや小売業などのある程度同じルーティンでこなせるものでしょう。この辺りはモロに料理の段取りや効率化が影響します。

 

ですが、もっと相手によって変化が必要な職業にはあまり大きく関係ないのかなと思います。

例えば保険や車の営業、不動産業なんかは良い例ですね。

他にも、株などの『予測』が必要な職種、1回1回ルーティン化出来ないアーティストなども当てはまるでしょうか。

管理能力は別物

人を管理する能力や人心掌握も料理とは無関係。

こういったスキルに関しては全く別で学ぶ必要があると言えます。

 

例えば、部下の人間関係やスケジュールの調節がそうですね。

仕事には直接関係ないですが、どうしても必要に迫られるシーンは多いでしょう。

 

人の上に立ち、まとめる能力=料理スキルとはならないということです。

飲食店で料理が出来る人は仕事が出来るワケじゃない

どうでも良い事ですが、料理人って我が強い人が多いですね。ホントにどうでも良いことですが。

 

さて、じゃあキッチンでテキパキ働く料理人は別の仕事も上手に出来るのかと言いますと、そんな事はありません。

お客さんごとに違った料理でも作っているならまだしも、基本的に飲食店は毎日同じメニュー作ってますから。

 

そうなると自分の頭で考えるまでもなく、ただの工場作業みたいになったりしてる部分があります。

なので、料理上手=仕事上手の根底にある『自分で考えて段取りを組む』っていう部分が抜け落ちたりしています。

 

あくまで仕事に直結する料理上手は家庭料理ですね。

僕は家で料理するときは頭使いますが、仕事ではあまり使ってません(笑

【結論】仕事と料理は直結しないけどプラスになるスキルは多いと思う

まとまりのない話でしたが、もう一度まとめると

 

【料理上手=仕事上手のワケ】

●段取りや要領が必要

●いろいろ考えて動く必要がある

 

スムーズに形にする為にプロセスを組むがあるっていう事で、それを繰り返すから効率化や連携力が身につくということ。

 

でも、

●相手ごとに即座に判断を切り替える能力

●管理能力

●仕事でやってる人にとっては割と決まった仕事ってだけ

 

こんな部分もあるので、必ずしも=にはならないという事になります。

あくまで経験則ですが、『料理上手はどこでも通用する最強選手』みたいな事はないんじゃない?っていう話です。

 

とはいえ、身につくものが多いっていうのもまた事実。マイナスにはならないから料理はした方がいいよってお話でした。

 

こんな記事もありますのでご紹介します。